3 生殖医学:自然流産における免疫学的異常の解明

 染色体正常流産の脱落膜における,T細胞の活性化による細胞障害性亢進,制御性T細胞の増加を初めて明らかにしました.染色体正常流産における新たな免疫学的要因について報告しました(Ebina Y, et al. Am J Reprod Immunol. 76, 199-204, 2016).

 同様に、染色体正常流産の脱落膜では、M1マクロファージが増加しており、妊娠維持にM1/M2バランスが関与していることを見出しました(Shimada S, Ebina Y, et al. Am J Reprod Immunol. doi: 10.1111/aji.12791, 79, 2018)また,不育症女性における非妊娠時の末梢血Natural killer(NK)細胞活性の高値は,不育症の病因や病態に関係があることを明らかにし,非妊娠時のNK細胞活性値による治療の個別化の可能性を示しました(Ebina Y, et al. J Reprod Immunol 120, 42-47, 2017).