助産師に求められる役割は高度かつ広範囲になっており、この領域のケアに関して科学的な手法を用いて新規のevidenceを積み重ねる人材育成が急務であります。本学では2014年から大学院修士課程で、助産学の実践と研究を両輪とする教育を行ってまいりました。これまでに、助産学科目群から21人が修了して巣立っていきました。意欲にあふれる皆さんの参画を心から歓迎いたします。

 修士課程看護学コース 助産学科目群では、2年間で助産師国家試験受験資格につながる授業・実習の単位を取得し、同時に特定課題研究に取り組みます。修士(看護学)の学位が取得できます。カリキュラム概要は下の図をごらんください。

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教育の特徴

 周産期医学・生殖医学の最新知見を基盤とした教育を行っています。そのなかでもハイリスク妊娠・分娩、救急時の早期対応が確実にできること、妊婦の心理的・社会的側面を含む全人的ケアができること、地域母子保健への連携ができることなどを特に重視しています。一方で、生殖補助医療の進歩、家族形態の多様化など、女性を取り巻く環境が大きく変わるなかで、sexual reproductive health/rightsの観点から、すべてのライフステージの女性の健康課題への支援についても学びます。

研究の特徴

 研究テーマは、妊産婦、褥婦、新生児・乳児のみならず、ウイメンズヘルス、母子相互作用、思春期などの幅広い関連領域を含むものと考えます。したがって、学生さんそれぞれの思いや動機を最大限に尊重しながら、科学的興味に沿ったテーマでの研究指導を行っています。テーマの探索や設定、対象と方法の検討、倫理的な配慮、研究の実施・解析、研究報告書の作成、学会や報告会でのプレゼンテーション、論文投稿を経験してもらいます。その過程で、論理的思考能力、学内外でのコミュニケーション能力、マネジメント・調整能力等が養われていきます。