蝦名教授の「卵巣顆粒膜細胞腫」研究論文が、Gynecologic Oncology誌に掲載されました。

わたしたちは、日本産科婦人科学会と日本婦人科腫瘍学会との共同研究として,卵巣顆粒膜細胞腫(granulosa cell tumor; GCTs)の臨床病理学的特徴及び予後不良因子を明らかにしました。GCTsは卵巣悪性腫瘍の2%程度を占める稀な腫瘍であるため標準治療が確立されていません。わたしたち研究グループは,日本産科婦人科学会が行っている婦人科腫瘍登録の14年間分のデータからGCTs 1,426例を対象として検討しました。II期以上の腫瘍進展例にリンパ節転移陽性率が高く,また初回手術時の残存腫瘍及びリンパ節転移が予後不良因子であることを見出しました。手術時所見で腫瘍が卵巣に限局している場合には,診断的リンパ節郭清を省略し手術侵襲を軽減できる可能性,そして播種を有する進行例では,腫瘍減量により残存腫瘍をゼロとすることが予後改善につながることが示唆されました。これらの成果が,GCTsにおける手術治療の標準化につながることが期待されます。本研究成果は,2021年8月26日(木)公開のGynecologic Oncology誌にオンライン掲載されました。

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