蝦名教授の「COVID19パンデミックが分娩施設の方針と周産期医療に与えた影響」研究論文がCEOG誌に掲載されました。

Impact of the COVID-19 pandemic on the policies and practices of delivery facilities in Japan (COVID-19パンデミックが分娩施設の方針と周産期医療に与えた影響)の研究論文が、Clinical and Experimental Obstetrics & Gynecology誌に掲載されました。

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これは、2021年5月に全国の産科病棟に勤務する助産師を対象として調査を行った「産後うつ病に関する予防的介入の実態」のうち、基礎データとして収集したCOVID-19パンデミックが分娩施設の方針と周産期医療に与えた影響についてまとめたものです。

日本全国における2020年4月から2021年3月までの期間におけるCOVID-19流行の影響について明らかにすることを目的としました。COVID-19感染拡大に伴って、「外来受診の付き添い」「産前教室」「立ち会い分娩」「入院中の付き添い」「入院中の面会」は、ほとんどの施設で中止もしくは一部制限となっていました。一方、「妊婦の外来受診」「産後の外来受診」は、多くの施設で変化がありませんでした。そして、これらの変化は緊急事態措置に関する地域差(緊急事態宣言の日数により都道府県ごとに区分)を認めず全国的なものでした。一方、施設区分でみると、「産前教室」「立ち会い分娩」「入院中の面会」は、診療所よりも周産期センターで中止となっている割合が高いことがわかりました。なお、里帰り分娩の受け入れに関しては、関東4都県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)以外の区域では約4割の施設で一部制限となっており、関東4都県よりもその割合が高いことがわかりました。

COVID-19パンデミックは、日本全国の分娩施設の方針と周産期医療に大きな影響を与えていることが示されました。そして、その影響は感染状況による地域差よりも、それぞれの施設が果たしている地域の周産期体制における役割が、色濃く反映していることが明らかになりました。