大学院修士課程 2024年3月修了 和高一希さんの「高等学校における月経教育:実態と教育提供者の困難感」論文が、原著として母性衛生にアクセプトされました。

「母性衛生」66 巻 1 号 (2025 年 4 月)に掲載予定です。

目的:わが国の高校で行われている月経教育の実態,教育提供者が感じている月経教育に対する困難感とその関連因子を明らかにする。
方法:全国の男女共学の全日制普通科高校から無作為抽出した1,500 校に勤務する保健体育教師もしくは養護教諭を対象とし,月経教育の実態,教育に対する困難感を調査した。
結果:262校から回答が得られた。67.0%の高校で月経教育が行われていたが,教員の82.3%現在の月経教育は不十分だとの回答し,72.2%が専門職の介入を希望していた。そして,54.9%が月経教育に対して困難を感じると回答した。困難感の関連因子は,養護教諭免許状を保持している(オッズ比:3.3,95%信頼区間:1.2-9.4),同僚の理解・協力が得られない(6.4,1.4-28.4),最新の情報を得る機会がない(2.7,1.3-5.7)であった。
結論:高等学校での月経教育実施率は高いとはいえず,実際に行われている教育は教育提供者にとって満足がいくものではなく,実施にあたっての困難感が強かった。今後は専門職の介入を含め,教育提供者の困難感を低減する取り組みの必要性が示唆された。

キーワード:関連因子,教員,月経教育,高等学校,困難感