大学院博士後期課程の中村真弥さんの”Development of nipple trauma evaluation system with deep learning”論文がJournal of Human Lactationにアクセプトされました。
Development of nipple trauma evaluation system with deep learning
Maya Nakamura; Hokkaido University, Graduate school of Health Sciences
Hiroyuki Sugimori; Hokkaido University, Faculty of Health Sciences
Yasuhiko Ebina; Hokkaido University, Faculty of Health Sciences
Abstract in Japanese
背景: 母乳育児支援における深層学習の活用に関する研究は行われていない。
目的: 本研究は、深層学習を用いた乳頭損傷評価システムの開発を目的とした。
方法: 本研究では、医療画像を用いた深層学習モデルを開発するため、探索的データ分析アプローチを用いた。物体検出および画像分類の技術を用い、日本で行われた先行研究で撮影された753枚の画像を二次解析した。「授乳に伴う乳頭組織の7所見」に基づき、画像を8クラスに分類した。実用性を考慮し、4つの主要カテゴリ「なし」、「軽度」、「中等度」、「重度」の4つのカテゴリに統合し、元の分類システムに一致するデータ拡張を行った。精度、再現率、Overall Accuracy、AUC(曲線下面積)を算出し、モデルの効率はFPS(Frames Per Second)で評価した。
結果: 物体検出における高いmAP(平均精度)とFPSが示され、乳頭および乳輪の検出精度が確認された。8クラスの画像分類は、亀裂、皮膚剝離、紫斑、痂皮で0.8を超える顕著なAUC値が得られた。再現率と精度が最も高かったのは痂皮であり、水疱で最も低かった。4クラスの画像分類は重度の状態を正確に予測し、平均AUCは0.7を超えたが、傷なしや軽度とされるカテゴリは再現率と精度が低い結果となった。
結論: 深層学習を活用したこの高度なシステムは、乳頭損傷の検出と分類を自動で行うことができ、客観的な画像評価を通じて、母乳育児支援者の教育と業務改善をサポートする有望なツールとなり得る。
Back Translation Completed by Hiroko Hongo, MSW, PhD, IBCLC