2022年3月卒業生の藤澤玲花さんの「自己採取HPV検査の導入が女子大学生の子宮頸がん検診における受診意識に及ぼす影響」研究論文が、原著として看護総合科学研究会誌にアクセプトされました。

学部3年から4年時に行った看護研究の成果です。ちょうど1年ほど前に、Googleフォームを用いた調査研究として行いました。看護研究の全てを論文として学会誌へ投稿するのは難しいと思います。ただし、今回のように多くの方に読んでいただきたい成果となった場合には、論文になるところまで指導をしていきたいと考えております。

抄 録

本研究では,自己採取ヒトパピローマウイルス(HPV)検査(以下,自己採取検査)の導入が,女子大学生の子宮頸がん検診における受診意識に及ぼす影響について明らかにすることを目的とした。A大学医学部保健学科に在籍する2~4年生の542人を対象にアンケート調査を行った。有効回答数は96部で,その70%は看護学専攻の学生であった。細胞診による現行の検診を希望する者は全体の64.6%であった。自己採取検査を細胞診の代替とした場合には,検査を希望する者が62.5%であり差を認めなかった。一方,細胞診か自己採取検査を選択できる場合には,検診受診希望者が83.3%と増加した(p<0.001)。以上より,自己採取検査を現行の細胞診の代替ではなく,子宮頸がん検診の検査法の選択肢として追加した場合,女子大学生の受診意識が向上することが示され,受診率増加につながる可能性が示唆された。

藤澤さんが、看護研究で作成した啓発用のリーフレットはこちら。